身毒秘宝館(5)

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 Ishq Zinda Rahe Ga (1999) のナルギース

ナルギースはおととしまた引退を宣言して、カナダにもどってしまった。こんどこそもう美容院経営に専念するかもしれないし、ギャラが折り合えば復帰するかもしれない。舞台では得がたい人材だ。州の文化相に下品なことばで中傷された(謝罪はかちとった)ので、ほんとに嫌になってしまったこともありえる。

 

アンジュマンが1995年に肥満しすぎて引退し、96年にスルターン・ラーヒーが死に、パンジャーブ映画はウルドゥ映画、パシュトー映画に抜かされ三番手になってしまった。しかし、98年の家族を舞台にしたおしんデレラみたいな Choorian が歴代最高の成績をあげ、次の時代の方向性が見えてきた。ナルギースはこの作品でいじわるな妹を演じた。シンデレラはサーイマ Saima Noor 、ナルギースのひと世代上で踊りがうまい。

 

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 サーイマ

 

パンジャービー映画はアンジュマンが短い復帰をしたり血みどろ路線がつづいたが、ウルドゥ映画は都会向け作品でもりかえしてきた。

1999年のウルドゥ映画 Ishq Zinda Rahe Ga はその過渡的な姿だ。bewafa nahi sahib tera dam bharti honn では、ニーリー Neeli と白衣装のサーヒバ Sahiba Afzar がダンスバトルをくりひろげる。製作はひどいが、二人とも踊り上手でなかなか高度なダンス場面になっている。サーイマとシャーン、ナルギースと太川陽介のペアのまえでのたたかいは、シャーン(まだ20代でデクノ棒)がサーヒバを選んで決着がつく。シャーンは終局でナルギースと結婚するかに見えまたどんでん返しがあるのだが、あまり成り行きに首をつっこむほどの作品ではない。シャーンは四股だったのか?

 

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 ニーリー 

 

サーイマは2000年代も主役の道を歩みつづけるが、ナルギースは舞台に転身、ニーリーは仕事がなくて引退、サーヒバはTVへとパーキスターン映画の過渡期はつづくのだった。コメント欄に「ラーホールからカラーチーへ、ヒーラーマンディー(ラーホールの色街)の手から教育ある人々への支配の移動が見てとれる」との感想があった。

 

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このころのナルギースは若くてスリムで、動きが軽やかだ。

pyar tere ne rog  lagaya (Ishq Zinda Rahe Ga)  

main charh gayi pauri ishq di (Jag Mahi  2000)

jholay lal (Aag 1992)  デビューしたばかりのシャーン。ラール・メーリー・パトで踊る。こののち男らしさ(踊れない、踊らない)を身につけていく。歌も本人か?