落合

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神田川妙正寺川の合流点

落合学という興味深いブログを発見した。東京西部の新宿区と豊島区にまたがる落合は、神田川妙正寺川の合流点Sangam にあたるのでそう呼ばれている。武蔵野台地東部の目白台と、川の流れる下町が対照的な地域だ。高台には学習院、川沿いにはフジオ・プロがある。林芙美子から赤塚不二夫まで文化人が多く住んできた土地だ。

落合学は2004年に開設し地域誌を掘り下げている。記事量が膨大で、閲覧者がこれまで2000万近くにのぼり全国にファンがいるらしい。たとえば大正期の画家である佐伯祐三の家で飼っていた鶏の飼育法からたずね、養鶏の歴史におよぶといったぐあいで話題が広がり絶えることがない。資料を渉猟し、古老に求めて証言を重ねていく。郷土史として独特で、学というにふさわしい手続きの確かさが感じられる。

学である以上、実用性でなく好奇心と知的誠実が根っこにあるから持続できるのだろう。将来、東京を舞台に「この世界の片隅に」を製作するなら素材の宝庫となるだろうが。