パドミニ

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maraindhirindhe paarkum marmam ema Thillana Mohanambal「ティッラーナー・モーハナーンバール」1968)
寺院の興行にパドミニ登場。踊りはバラタナーティヤムBharatanatyam。9つのラサnavarasamを演じる。眺める男は、シヴァージ・ガネーサンSivaji Ganesan。 (タミル映画)

kannum kannum kalandhu Vanjikottai vaaliban(1958)
パドミニとヴァイジャンティマーラーの世紀のダンスバトル。いまだに南インドで使われる悪役ウィーラッパVeerappaのセリフ、「サーバシュ!サリヤナ ポッチ! おお!すごい闘いだ!」。(タミル)
ヒンディー版があった。タイトル は Raj Tilak 。当時マドラス(チェンナイ)ではヒンディー映画も作られていた。吹き替えでなくヒンディー語用に別撮りされているので微妙に違って大変貴重な映像。悪役 もプラーンPranに代わっている。従ってこれはヒンディー映画と呼ぶべきものだ。
タミル版とヒンディー版を比べたマニアックなクリップ 。ヴァイジャンティの音楽との同調性が際立つ。

Mannavan vanthanadi Thiruvarut selvar 1967(Thiruvarutchelvar)
巨大なナタラージャNataraja=舞踏神シヴァの像の前で踊るパドミニ。
眺める男は、シヴァージ。パドミニとは60本近く共演している。(タミル)HQ版 

anjaatha singam en kaalai Veerapandiya Kattabomman(1959)
18世紀末にタミルナードゥで英国に抵抗して戦い、処刑された歴史的英雄ウィーラパンディヤ・カッタボンマンを描く。壮絶な戦争の前のつかのまの平和。(タミル)
inbam pongum vennilaa 同
シヴァージ演じるカッタボンマンの、部下の武将にジェミニ・ガネーサンGemini Ganesan (レーカーの実父)。HD版

aaj koi ayega  Chanda aur Bijli(1969)
嬉し恥ずかしインド式シャワー。(ヒンディー映画)

Saraswathi sabatham(1966)
シヴァ神の妻パールヴァティとなってカイラーサ山で激しくtandava(男踊り)を踊る。パドミニとヴァイジャンティの違いを見つけた。tandava!(タミル)

chum chum ghungroo bole Kajal(1965)
ミーナー・クマーリーMeena Kumariのスィタールに乗って。(ヒンディー)

tu hai mera prem Kalpana(1960)
恋敵である妹のラーギニ Ragini とのデュエット。インド映画特有の、妄想としての舞踊シーン。O.P.Nayyarの曲がすばらしい。(ヒンディー)

tillana  Shiv Bhakta(1954) HQ版 
Sri Kalahastiswara Mahatyam 同
ヒンドゥーの聖者を描いた作品で、寺院で踊るデーヴァダーシーを演じている。ヒンディー映画なので、カルナーティックでなくてヒンドゥスターニー音楽が使われているらしい。
後年のドラミちゃん体型のパドミニもいいが、若いころの生き生きした表情はマードゥリーによく似てすてきだ。(ヒンディー)

kaathiuppaan kamala kannan Uthama Puthiran(1958)
パドミニがラーダーを、クリシュナはラーギニが演じている(タミルではラーダイとキルッシュナー)。シヴァージが主演の同作品は、鉄仮面のゆるーい翻案。(タミル)

aadatha manam undo Mannathi Mannan(1960)
タミル映画人気No.1だったM.G.ラーマチャンドランとの共演。

aadum azhage azhagu Raja Rajan(1958)
これもMGR映画で姉のラリタ Lalitha と踊る。

piya milan ko chali Radhika Payal(1957)
クリシュナとラーダーの二役。ラーディカーはラーダーの愛称。(ヒンディー)
jaa re saanwale salone natkhat banwaari(同)。
ここではラーダーのライヴァルの牛飼い女。振付もカッタク風だ。
Raagini (1958) ラーギニーは「音楽」の意。歌手役は歌手のキショール・クマールだが、歌っているのは本職の古典歌手。(同)

Pardesi(Afanassi Nikitin)(1958)
出会い  別れ 
インド・ソヴィエト合作映画。かつてのソヴカラーの映像が美しい。

 

 

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パドミニ பத்மினி Padmini (パトミニ、パドミニー Pathmini)

ケーララ州都ティルヴァナンタプラム(旧トリヴァンドゥラム)出身。昨秋死去(1932-2006)。生涯260本以上の作品に出演した。

代表作は、Manamagal, Mr.Smpath「サンパット氏」, Ade parashakthi, Thillana Mohanambal, Vietnam Veedu「ヴェトナム家」(Tamil), Mera naam joker「私はピエロ」, Jis desh men Ganga behti hai「ガンジスの流れる国」(Hindi), Snehaseema, Adhyapika, Umminithanka (Malayalam)など多数。

4才でダンスを始める。グル・ゴーピーナートGuru Gopinathに、カタカリKathakaliから創られたケーララナータナムKeralanatanamを学ぶ。10才で得業、14才でツアーに参加、インド各地を回る。
16才、マドラス(チェンナイ)で製作されたヒンディー映画 Kalpana (1948)で初出演(ムンバイー=ボンベイもマラーティーMarathi語が公用語ヒンディー語圏ではない)。

以後マドラスに居を定め Tamil , Telugu , Malayalam, Kannada , Hindiの5言語を用いて活動、61年米在住の医師と結婚し半ば引退したが引き続き名作に数々出演。
71年アメリカに完全移住し、77年からニュージャージーとニューヨークでU.S最大最古といわれるインド舞踊学校を開いていた。

旧ソ連はパドミニの記念切手を発行(1957)したことがある。

パドミニには姉ラリタLalithaと妹ラーギニ Raginiがいて、いずれもダンサー/俳優となり、トラヴァンコール・シスターズTravancore sistersと呼ばれた(トラヴァンコール藩王国にちなむ)。

Thillana Mohanambalは、パドミニとタミル映画の代表作。バラタナーティヤムやクーチプーディの動きが見られる。カッタクkathakとは衣装も違うが、深く折曲げる足の型なども、カッタクには見られないもの。カッタクのような旋回もしない。ヒンドゥー寺院の彫像みたいでもある。
またナヴァラサNavarasa(wiki)の表情の演舞をおこない、歌詞でその説明をしている。眉を上下させるのは誘惑を表わす。

南インドには大衆芝居の伝統があり、そこから多くの踊り手を生み出したが北にはその背景がないので、ヒンディー映画の傑出したダンサーは、ほとんど南インド出身だといわれる。

Vanjikottai vaalibanのバトルは今でも語り草で、どちらがすぐれたダンサーだったかは、ネットでも熱い議論を生み続けている。インド映画だけでなく世界のミュージカルの宝だ。
ヴァイジャンティがパドミニの葬儀に際しショーバナに聞いた話として、ショーバナもこの問題を叔母のパドミニにぶつけたところ「もちろんヴァイジャンティですよ。背も高く手が長くて、ほんとに優雅でした。」と、答えが返ってきたという。ヴァイジャンティは「なんて度量が大きいのでしょう。」とライヴァルを賛えている。(“Dance is Vyjayanthimala’s passion” Chennai Online)

Phantom india madras film and dance は'69フランス製のインド・ドキュメンタリー(ルイ・マル監督:L'Inde fantome )で、ティッラーナー・モーハナンバールの撮影風景が見られる。 ワセリンの涙を着けたパドミニ! さらに、バラタナーティヤムの伝説のカラクシェートラ学校内部が公開されている! しかも日本人生徒が練習している! 映像は朽ちないが、語り(très européenne)は時代を感じさせる。