歌手としての能年は、中学時代のパンクバンド活動からはじまり年季が入っている。パンクだから下手ではないが上手くもない。声はきれいで能年そのものだ。
皮切りは
だった。同アルバムの RUN!! と同じくアニメの主題歌になりそうな引っかけのある歌だったが、自作のへーんなのっも能年らしい変なところが表れたよい曲だ。
カヴァーのタイムマシンにおねがいが実質初シングルだった。同じく世界観のある歌系列ではやまないガール、わたしは部屋充。最新のナマイキにスカートもめずらしくセクシーでいい。
我是部屋充 コメントにある驼背は猫背のこと。駱駝みたいに背中が丸いのは、おっぱいが大きいのをかくしたいからだろう。
エイリアンズもすてきだ。
映画星屑の町では、昭和歌謡をいい感じで歌っている。
能年をはじめて知ったのは、ネットで「のだめの続編を作るならだれが主役にいいか」という話題で名が出ていたからだった。
朝ドラに興味はなかったので当時あったブログを読んだら、面白さにとりつかれてしまった。まだ無名のモデル時代からはじまり、仕事がないながらもネガティヴなことは書かず日々の喜びを伝えようとしていた。文章が生き生きしているだけでなく、サーヴィス精神があってかならずおまけがついてくる。また普段着を工夫して着こなした自撮りがいつも添付されていた。
そのなかですこしずつチャンスをつかみ、役者の道を進んでいく様子がうかがえた。
初主演は動物の狩り方で、短編だが父親に一家を滅ぼされた生き残り少女が狩猟を学ぶ面白い作品だ。長編で見たい。若手監督育成プロジェクトの一環で、橋本愛の初主演も同じ監督が撮っている。これ以降は、橋本主演映画に端役として片隅に映っていた。
初の大役は阿部寛と共演したカラスの親指だった。ショート時代のはじまりで、冗長なドンデン返しがなければよくできた作品だった。阿部の布団にもぐりこむ場面もあったのに、惜しいことに公開ではカットされている。
ブログでは平凡な日常の記事にときおり役をつかんだ報告がはさまり、春を告げられた気分を味わうことができた。またDJをしていることを知り、聴きはじめた。そこで文章に通じる風変わりな個性だけでなく、無二の声をもっていることがわかった。この世代らしく一種のアニメ声で、努力して形成したものだ。
声からファンになったので、アニメでの成功は「これくらいできて当然」という思いだ。こちらが自慢する筋合いではないが。
いよいよ見るものがなくなって朝ドラに手を出した。といっても第一部だけだ。究極のベビーフェースだった。浜の人間模様も豊かで、完全に引きこまれてしまった。能年bhaktaのできあがりだ。
その後の活動の軌跡をみると、歌も舞台も演じ自主映画も撮った。大事なのは製作の自己決定権で、これくらいやりたいことをして思うように生きている役者はあまりいないだろう。ペ・ドゥナが偉大なのは、駄作にほとんど出ていないからだ。
この世界の片隅にでの声の力はいうまでもないし、星屑の町は魅力的だった。私をくいとめては、よく考えぬかれた作品だった。製作公開にいつも困難がつきまとうのも能年らしい。
するとまたニュースがあった。この人にはいつも驚かされる。監督主演脚本をつとめる Ribbon が今年公開されるという。予告編だけでも元をとっている。
能年は中国でも人気があって、ビリビリにいくつも映像がupされている。
犬系というのは少年顔犬顔ということと、名前が発音しにくいらしく(ナンニェンリンナイ)「ちゃん」に相当する醤のかわりに犬(チェン)をくっつけて「のうねんちゃん」にしているのだと思う。能年犬。
おまけ
さらにおまけ
コスプレにもセンスがある。