ポスター
マハーバーラタ映画は100本以上あるので、パドミニが出ていてもおかしくはない。これは1965年ヒンディー映画の Mahabharat だ。WikiもIMDbもNTRやシヴァージが出演しているかのように書いてあるがデタラメで、パドミニ以外はダーラー・スィンとプラディープ・クマールくらいしかスターはいない。
かといってB級かというと全編イーストマン・カラーで、監督はインドの円谷英二とひそかに呼んでいる Babubhai Mistry だ。矢が飛ぶとスパスパ首が落ちる特撮の出来はよい。ことに初めてマハーバーラタ全編を描いた作品であることをウリにしていて、重要なイヴェントをもらさず紹介している。たぶん海外輸出もあてこんだ製作だったのだろう。
賭博に負けたパンダヴァたちの前に引きずりだされたパドミニ。
悪代官と腰元のように、サーリーをクルクルとはぎとられる。クリシュナが布を補給する。
ダーラー・スィンのビーマがハヌマーンと出会う場面もある。
男のドラマであるタミル版やテルグ版では女は嘆くか扇でハエを追っているくらいなのだが、こちらはいろいろ歌舞の見せ場がある。
tubeのヒンディー版は音楽がところどころカットされている。グジャラーティー版は短い。ロシア版は、あろうことかセリフにロシア語がかぶせられている。英仏字幕版が完全に近い。
幻影宮殿。マーヤーバザールをまねたモニターの中で踊る。左のダンサーは不明。
追放中のプラディープ・クマールのアルジュナが、マツヤ国で踊りの師匠になる。
マツヤ国宮廷に住み込んだ兄弟たちとドラウパディー。ウッタラーは Sujata.
戦争場面もけっこうお金がかかっている。
クリシュナ
髪をドゥシャーサナの血で染めてよろこぶドラウパディー。この映画では原作どおりカルナを差別したりドゥリョーダナを嘲笑したり、戦争の原因を作るエグい性格だ。
この時代の映画はまだ牧歌的なところがある。ラーマーヤナとならんで爆発的人気をえた80年代TVドラマのマハーバーラタは、ヒンドゥー至上主義の台頭や1992年バーブリー・マスジッド(バーブルにちなんで建立)破壊の遠因となったのではないかといわれる。