アクバルというと「偉大なムガル」でのプリトヴィーラージ・カプールのいかめしい表情や、南アジアふうの濃い顔をまず思い起こしてしまう。
実際は東ユーラシア的に薄い顔立ちだった。映画の鏡の間もシャージャハーン時代のものだ。
イエズス会神父のモンセラーテは、38才のジャラールッディーン・アクバルに面会し印象を記している。
ゼラルディヌスは容貌も体格も王の地位に相応しいものを持っており、誰でも見た瞬間すぐ彼が王であることが分かる。肩幅は広く両脚は外側にすこし彎曲し、乗馬に適している。肌は白いが、すこし褐色がかってもいる。頭は右肩のほうに傾いており、額は広い。眼は輝き、陽に照らされて光る海のごとくきらめいているように見える。まぶたは横に長く延び、サウロマタ人、シナ人、ニポン人、および北の方角へ延びているアジアの地に住むその他のほとんどすべての人と変わらない。ムガル帝国誌
サウロマタ人はイラン系言語話者の騎馬遊牧民にサウロマタイがいたが、ここでは中央アジア遊牧民くらいの意味だろう。アクバルの父方はティムールとチンギス・ハンにつらなるテュルクで、母はペルシア人だったのでニポン人のようでも不思議はない。
チンギス・ハンを演じた浅野忠信。
宮廷画家 Manohar Das の描いたアクバル。16世紀のもの。
モンセラーテによればトルコ人のように鼻の下だけ髭をのばし、インド人のように長い髪をターバンに包みこんでいたという。
父親を偲ぶジャハーンギール。1613年ころ。
1630年の製作
キリスト教絵画をまねて後光が差している。
1605年
晩年のアクバルのスケッチ。