目は口ほどに

 

悪女の一、二話で今田は、猪突猛進の力でくすぶったりこじらせている女性社員のやる気を引き出していた。第三話ではさらに、新しいビジネスを開拓するところまでいった。

家内安全だけでなく、商売繁盛の能力もあるところを見せたことになる。これならなんでも出来るではないか。

今田のいいところは、共演者に演技力を発揮させるところだ。猛牛のような突進をさばくことで、対する役者は手練れの闘牛士のように見えてくる。座長力というもので、そこまで今田が出来るとは思っていなかった。

 

 

あいかわらず人が多いオフィスだ。

 

これまでのところ女優だけで話がすすみ、男の影はまったく薄い。ただ今田のパワーの源はいまのところ色欲で、憧れのエリート社員を振り向かせたい点にかかっている。

それではもったいないから、会社を乗っ取るところまでいかなくても半分までは獲得してほしい。わらしべ長者のように集めた女性仲間を元手に、男だけの事業を変革する力がこの物語にはありそうな気がする。原作がどうだったのかは知らないが、バカげた効果音つきの喜劇のままではもったいない。

 

 

 

とはいえ男をゲットして終わるか、すでに登場した女優に再度活躍させるかは予算次第になる。ここがつらいところだ。最近よくドラマを見ているが、だいたい半分で弾切れとなり企画の力はつきている。

 

 

 

おおげさなコメディー演技ではあるが、泣いても笑っても真情を伝える力量が今田にはある。比喩表現としての悪女ではなく、スーツで決めて闇落ちした姿で会社をひっくりかえすところが見たい。