ウイルス制御の数式を書くユッキー
ドラマを全話見ることなどないのに、今年は3作も完走している。
手堅い作りで楽しませてもらった地上波シリーズだが、あちこちほころびが出て大団円となった。新作は配信でということになる。
ナノロボット関連は、視覚効果の予算が尽きたのか一貫して画が弱かった。悪役の「さすが博士」のひとことで終わってしまった。
ドクターホワイトでは、いちども登場しない「組織」のせいにして話が終結した。
不老ウイルスの変異株
おディーンに胸を刺されて倒れた強敵は、すぐ復活して悪事にはげみ退場した。サイボーグぽくて新シリーズで再登場するのかもしれないが、いちおうのカタはつけてほしかった。
サイボーグと手下はパーティー会場にウイルス爆弾を仕掛ける。悪女の大詰めの社員総会はPTA集会みたいな画で説得力がなかったが、こちらはそれらしく描かれていた。どんな大きな話も、盛る器が小さければ訴えるものも小さい。
しかし爆発装置のサイズが大きすぎた割に仕掛けはちゃちで、解除するアクション演出も緊迫感に欠けていた。そういうミスはシリーズを通してあまりなかったので残念だった。
何よりひとり会場にいたユースケは二度も世界を破滅の危機から救ったのに、ダイハード味の評価が軽いのが気の毒なことだ。
ほんとはラスボスとの対決は三人でするべきで、会場の場面は他の登場人物にまかせて赤でも青でも線を切らせておけばよかった。
他の登場人物といえば、この第六話の女性もおもしろい存在だった。
おディーンは本拠の島に向かう手下たちを追いかけるが、何の根拠もなしに海を渡って追いついていた。佐久間由衣が乗ったタクシーをジャニーズが走って追いかけ、同着で佐久間宅にあらわれるドラマがあった。神話的想像力でおぎなうしかないのは困る。
ラスボスとの対決もあっけなかった。手下たちとともにドロドロと溶けていくぐらいの映像がほしかったのに、口から血を流しておしまいだ。ユッキーも泡を吹けばよかった。
このシリーズの弱点は、CGは静止画のみで動画のないことだった。けっきょくお金の問題だろう。
ハッピーなエンディングは長すぎた。爆発装置の解除、サイボーグたちとのたたかい、ラスボスの最後にもっと重点をおくべきだった。
ただユッキーがはじめておディーンに男を感じている雰囲気があって、「岸井が出てしまった」素なのか新シリーズの伏線なのかが気になった。