エルピス動く 

 

長澤は報道キャスターに返り咲き、多忙な日々に流されている。しかしえらそうに腕組みしても中身がからっぽなのは同じで、面の皮が厚くなっただけともいえる。

長澤本人は発声、活舌、押し出しのよさを見ると実際にトップキャスターとして君臨できそうだ。

 

そんな長澤をゴードンは事件の追及をわすれた平和ボケとなじるが、あんたなんかに何がわかるのと泣き逆切れして殴る。おたおたするゴードンがおかしい。顔つきは精悍になったが、やはりお坊ちゃんだ。長澤は岡部にグチをこぼすが、相手がさらに世迷言を返してくるので冷徹に突き放す。

ここらへんの描写のうまさが、エルピスのおもしろさの根幹だろう。

 

長澤は事件を通じて食欲性欲地位を取り戻したとはいえ、出発点に返ったにすぎない。しかしあまり進歩しないふたりは初めて情報を共有し、事件の核心に一歩せまることになる。いままで何をしていたんだという話になるが、ともかく終盤にむけて大きく物語が動き出した回だった。全体が緊迫感にみち、あいまに喜劇がはいる。みごとな脚本だ。

 

ゴードンと長澤が会う場面では離れてすわっているが、長澤の暴力行使で一挙に距離が縮まる。ふたりは10才ちがいあたりだが、プロミス・シンデレラでの二階堂ふみとゴードンの年の差も10才の設定だった。このハードルを超えるところを見たい。

 

 

アトム

 

アトムで岸井はやることがないのでカレーを作り、でんでんはおにぎりを運んでいる。山崎努老害を演じているのをふくめ、権力のステージがあがって絵面の平均年齢が一挙に高くなった。

 

村を出てひのきのぼうでスライムを倒してエンドとなる、10分くらいでサクッと終わるソリティアみたいなゲームを誰か開発しないだろうか。