波よ聞いてくれ 第三・四話

第四話 誘拐された構成作家を実況しながら奪還する。

 

第三話はライヴァルDJの平野綾がストーカーにあう話で、小芝が放送を通じて反撃する。平野はリアル・メーテルの風貌で、声優だから声がすてきだ。繊細な心を巧みに演じ、腹黒く面倒くさい人物として描かれている。

このドラマに出てくる女は、平野に似てみな曲がりくねって面倒くさい。それで無神経で真っ直ぐな小芝の性格が引き立つ。ただ小芝は方向がちがっているだけで、事故物件であることはかわりない。

 

ドラマは地方都市のFM放送局とレストランが舞台で、限られた空間での人間ドラマだから役者の力の見せどころだ。脚本演出が人物の骨格を適切に描き、それを俳優たちが肉付けしている。

北村一輝はいうまでもないが、第三話での平野の好演につづいて第四話では小市慢太郎が初老の構成作家を飄々と演じている。ただ裏の顔はポルノ作家で、北村同様にうさんくさいことはかわりない。

誘拐犯の首領と女幹部もうさんくささ全開だった。むだに胸の谷間を見せつける片山萌美は、もとミス日本だそうだ。役者にかんしては、日本は人材の宝庫で競争も激しいのだろう。

ありえない話をまとめるのは、小芝の無神経な突撃力だ。ごくせんの仲間由紀恵みたいだが、身体能力の高さをうかがわせるアクションだった。

一・二話は小芝が周囲をふり回し、三・四話では周囲の面倒な人間たちが起こす混乱に小芝が決着をつけた。