家出した三女の長濱ねるは、二児の母になっていた。一方的に怒る堀田は、デリカシーのないとてもいやな奴に見える。子供に関心を示したり、妹を案ずることもない。これは(平泉成のような)物わかりのわるい男親の役回りを、堀田がずっと家庭内で演じてきたことの延長だろう。長濱に役者になれというのも堀田の勝手な思いこみで、三女はそこから逃げて現在いる漁村に落ち着いたのだった。
つづく日、上司のセクハラに悩む仁村紗和をなじる男友に堀田はタンカを切る。それ自体がセクハラへの加担ではないかと。ここはひさびさにカタルシスを生む場面だった。
こうして堀田が怒ることで状況はすこしずつ変化していく。仁村は酒井若菜と会って、セクハラ上司に反撃することをもちかける。
攻撃的で怒りをパワーにするのは、古くから家庭では家長の役割だった。よくもわるくも、堀田の父親的性格を実感させられる回だった。