悪女
過去2回いいところがなかった今田美桜だが、第七話はもち直した。社長選びをめぐる社内政治がうまく描かれ、今田が予想の上をいくアホパワーを発揮して局面をひっくりかえした。最後の詰めの演出が甘いが、今回は韓国に輸出できる出来だ。
パンドラ
パンドラ世界もいよいよ幽霊が登場して、何でもありになってきた。ドラマの登場人物はほぼ唯物論者なので霊魂は信じていないが、そのせいで不死をもとめて犯罪をおこしたり面倒が生じている。
おディーンにとって科学は信じすがりたいものだから、実際は宗教に等しい。科学的真実ではなく、つごうのいい仮説をあれこれ探している。しかし科学と科学イデオロギーは別物だ。宇宙も物質も力もほとんどのことがわかっていなくて、すき間を埋めているのは疑似科学的言説だ。それは神話とあまりかわらない。
それなら何らかの大宗教にでも帰依して、来世での亡き妻との再会を願って精進したほうがよい。魂の不滅を認めれば、わざわざ高い料金を払って妻を冷凍保存などしなくてもいいはずだ。
ユッキーは科学の現場の人間だから、科学を信じたりはしない。経験から知をみちびく方法だけをもっていて、いつも冷静でふてぶてしい。しかし今回は馬脚をあらわし、あやしい人影を見て悲鳴をあげていた。ユッキーによれば、怖がりだから科学をやっているのだそうだ。
ユースケはただの人なので、金縛りにもあうし暗示にもかかりやすい。ワトソンのような読者より少し頭のわるい、信頼できない証人の役割だ。
この三人が幽霊に立ち向かう今回もおもしろかった。毎回映像に説得力があって、たぶん目に見えない加工編集がいろいろほどこされているのだろう。これも海外輸出が出来る。
こういういい画が各回に出てくる。今回は貞子の登場がよかった。
物語世界もなじんできたので、キャラを記号性禁欲性から解放したらよい。毎回みな同じものを着ているのはもったいない。おディーンに無精ひげを生やさせたり、ユッキーに和服を着せたり、ユースケにアロハなど。三人で泡を吹くとか。
植物繊維を一瞬で溶かす、未知の物質の回などどうだろう。ユッキーの雪の肌やおディーンのおでぃんでぃんやユースケのサンタマが風に吹かれてしまうのだ。