2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
第一話でまいた手札をおしげもなく切って、岸井は両手に花だ。このあと私のためにあらそわないでの話になればおもしろいが、世間は許さないだろう。 老大家のデタラメな脚本に失望しつづけてきたが、この作品の書き手は若くて活きがいい。いまのところ快調だ…
龍虎少爺 (1981) 大陸功夫片は名所旧跡にロケし、歴史や風俗もわかるし、武術は一流で、脚本もしっかりして、音楽も地元の交響楽団を使い、よく出来た街中華の料理の味わいがある。ところがこちらは香港の功夫映画で育ったので、ジャンクが恋しくなるという…
全編 中字幕音声ズレ この1984年作品では、冒頭と結尾に賽龍舟と呼ばれる広東のボート競走が描かれる。 龍舟は幅の狭い長い船で、屈原が投身したという端午の節句にちなんでレースは行われる。江南だけでなく、台湾、琉球、越南から日本の長崎まで競技は広が…
岸井ゆきののアトムの童は、よくできていた。 銀行員の岸井は、玩具製造業の家を継ぐことを拒んでいた。 しかし工場は火災にあい、岸井は父にかわって再建の決意を固める。民放ドラマにしては、火事と焼け跡がちゃんと描写されていた。 天才ゲーム作者との出…
巴陵窃賊 (1987) は、武林志の李俊峰が主演のミステリー功夫片の佳作だ。ポスターの後景に浮かぶのは岳陽楼で、洞庭湖とともに映画の舞台となっている。全編 ここは古来詩文の題材となってきたが、杜甫の登岳陽楼と范仲淹の岳陽楼記が名高い。 後者は先憂後…
長江三峡の瞿塘峡 峡江疑影 (1985)は辛亥革命の発端となった武昌起義前後の田舎町を舞台にした、いっぷう変わったサスペンス功夫片だ。背景となるのは今日では三峡ダムで知られる長江三峡で、洪家集と呼ばれる険しい峡谷のほとりの町で事件は推移する。 孫文…
武林志 (1983)全編 戈春艶(春燕)の大刀王五に先立つ初出演作である武林志は、義和団16年後の天津が舞台になっている。1911年の辛亥革命は迷走し、軍閥割拠の時代だ。春艶は闘死した父の弟子だった李俊峰と夫婦になり、家族ともども武芸を披露する旅芸人とし…
マグダラのマリアは晩年マッサリア、つまりマルセイユに渡って死んだという説がある。またサンティアゴ・デ・コンポステーラにはヤコブの墓があるとされ巡礼地になっている。 使徒のトマスはケーララ海岸にたどりつき、マドラスで死んだとされる。サントメ大…
大刀王五 (1985) ビリビリ全編 youtube吹き替え字幕版 あいにく画質が悪く、夜の闘いの場面が真っ暗だ。 大刀王五は前回記事に出た義和団の、ちょっとまえの時期を舞台にしている。 王五は実在人物で、武侠として鏢局つまり護衛会社を営んでいた。百斤(60kg)…