檸檬だ檸檬だ檸檬だ

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檸檬の文字をながめていたら、木をとりのぞけば寧蒙ニンモンだ。ニンモンだニンモンだニンモンだ。
つまりアイシュワルヤー・ラーイの「ミモラ~心のままに Hum dil de chuke sanam(1999)」の劇中歌で邦題の元にもなった nimbooda ではないか。


nimbooda:wikiラジャスターン民謡で、ニンブーダはサンスクリットのレモン नींबू ニンブーのなまりだろう。レモンだレモンだレモンだと歌いながら黄色い果実を摘んでくれとやりとりしている。これは遠回しの艶歌だから、アジャイ・デーヴガンの岩のような顔も溶けずにはいられない。

 

アイシュワルヤーはライムのように初々しいし、振付のサロージ・カーンは油がのりきっている。印象に残るすてきな踊りで、これを映画の題名にしようとした気持ちはわかる。「あなたがいてこそ」とか「踊る」シリーズに比べれば工夫がある。
しかしニンブーダをゴジラの息子のように異訳したため、当時のインド映画ファンにはそっぽを向かれ恨み言がまだネットに残っている。

 

レモンの原産地はヒマーラヤの東部、印中緬国境あたりだ。lemon はニンブーの聞きまちがいで悪いのはミモラだけでなかった。ペルシア、アラブを通じて西へはリームーلیمو   リームーン ليمون として広まったが東はニンモンとなった。仏典とかに残っているかと思ったが、諸橋大漢和では英語の音訳とそっけない。