林泉は武当 (1983) に主演して人気を得た後、長く演技活動をつづけた。
次の主演作瓜棚女杰 (1985) は郷土文学作家の刘绍棠の小説を原作とした、ちょっと毛色のかわった農村愛憎功夫映画だった。全編
西瓜農家の父に学んで功夫高手となった林泉は、農村の教師に思いを寄せる。しかし自分は火で相手は水の気質のちがいがあるからと、恋心を封印していた。
ある日、人さらい業者の手から少女を解放するが、それは稼業から逃げたがっていた悪人の娘だった。林泉はその娘を教師とくっつけようと画策する。小屋に二人を閉じこめるという、荒っぽい手段だったが。娘と教師は結婚し子供も生まれる。林泉と娘は姉妹のように仲睦まじい関係を結ぶ。
しかし鬼子来了の1930年代となり、日本軍の手が村にも迫ってくる。教師はひそかに抗日活動に身を投じ、村人を組織しようとして林泉に功夫を教えるように頼む。ただならぬ二人の気配を誤解した妻は嫉妬して、夫婦仲は険悪になり林泉一家とも断絶する。
村に負傷した抗日活動家が逃げこみ、教師の頼みで林泉はかくまう。そこに日本軍と、今は協力者になった人さらいの父親たちが捜索に来て悲劇が生まれる。
三角関係と抗日と功夫という盛りだくさんな内容だが、農村風景は趣があり功夫は本物で林泉の演技も達者だ。教練場面
これは1984年にヒットした中港合作である新方世玉の続編で、母親の苗翠花は陈咏霞(陳永霞)が演じている。
ここでは林泉は悪人の妹だが、真実を知って善に味方する。獅子舞、雑技、縁日と民俗色豊かで、悪の武当派の隊形演技は80年代邵氏電影を思わせる。演員は大陸だが監督や動作設計は香港なので、港産片といっていい色合いだ。
少林勢対武当陣
黑色的诱惑 (1986)
偽札をめぐる中国産犯罪映画で、舞台は広州だが香港マフィアやキャバレー歌手が登場する。林泉はバンド奏者に恋する武術表演者になって、副筋で功夫の腕をふるう。
英雄地之小刀会 (1992 中港) 全編
1916年、軍閥割拠時代の上海灘を舞台にギャングが抗争する。林泉は殺手頭目として、着流しで日本刀をふるう。列車上の闘い
中国では英雄地英雄泪として公開。監督と主演は香港だ。
四海遊侠 (1992 香港)
盧惠光主演映画
痴情快婿 (1992 香港)
黎明主演映画
火焼紅蓮寺(1928)は中国武侠映画の第一次ブームを引き起こした無声映画で、何度も再映画化されている。林嶺東リンゴ・ラムは福建少林寺焼き討ちの後日談として、方世玉と洪熙官を主人公に改編した。
往年の華麗な邵氏武侠片のようにほとんどスタジオ撮影だが、悪の巣窟の紅蓮寺での闘いをひたすら暗く陰鬱に描いた怪作だ。
林泉は悪の手先だが、復讐のため身を偽って潜入した洪熙官の愛人でもある。神雕俠侶で小龍女になる前の李若彤とエロを競っている。
方世玉と戦う。
洪熙官を誘う。
決戦。
逆水寒 (2004 中)
武侠電視劇。
散打王 (2004 中港)
中国では搏击之霸として公開。
天涯追缉令 (2005 中)
古装電視劇。
武打場面モンタージュ。
百度には競技歴の記載がないが、この記事によると全国大会で長拳と剣術で冠軍になったとある。たしかに身ごなしが太極拳とは違う。
子供のころから映画好きで、いつか自分も銀幕に登場したいと思っていた。
演技以外では、広東電視台の女子自衛術という番組で司会もこなした。
現在は香港の武館で教練をしているともいわれる。
藤原紀香が狂ったスタントを演じた雷霆戰警 (2000)に名があるが、同名の男役者だと思われる。