林泉は父と恋人の仇と協力者の卑怯な日本武士を討つため、武当山で修行する。
youtube版もあるが、画質が悪い。
武士との闘い (1分)
それだけの話だが、主演の林泉がペ・ドゥナそっくりの個性的風貌で真功夫でもある。闘気が伝わるよい演技で、観ていてあきない。またおそらく最初期の武当山ロケも興味をそそる。
これも林泉だが、鼻が立派でほんとにペ・ドゥナによく似ている。
広東省武術隊出身。身材が強健そうで技に迫力がある。添え物でなく物語を牽引する主人公としては、この当時一番かもしれない。
木綿袈裟 (1984) では武当山の紫霄宮が映るが、この作品では南岩宮と太子坡が登場する。
紫霄宮
南岩宮
太子坡
武当山は道教の聖地だが、少林寺の流れをくむ太極拳の発祥地でもあるとされる。ここで林泉は道長から武当派の技を学ぶ。
山も今日では観光地化され、登山バスやロープウェーもある。頂上金殿の標高は1600mで、よくこんな高山に建物をいっぱい作ったものだ。子孫は各地にガラスの桟道を敷設してやまないのだから、変わらないということか。
観光客による旅行案内と撮影で、9分以降はただの猿の映像。
臥虎蔵龍で章子怡が身を投げた橋はどこにあるのかというと、あれは河北石家庄の蒼岩山で武当山ではない。また李安にだまされたわけだ。
蒼岩山
映画武当の欠点は光緒15年 (1889年) と冒頭画面にあるのに、香港映画によくあるインチキ武士が出てくること。しかも技術はちゃんと空手の型なのに、チョンマゲがモヒカンだ。出てくるたびにうんざりだが、ファンタジーですよという言い訳なのか単に無頓着なのかもよくわからない。サムライたちは、雇い主がやられそうになるとさっさと退場してしまう。