武当


武当 (1983) は、林泉主演の大陸産功夫片だ。

林泉は父と恋人の仇と協力者の卑怯な日本武士を討つため、武当山で修行する。

 

【动作/武侠】 武当 (1983)全編

youtube版もあるが、画質が悪い。

武士との闘い (1分)

 

それだけの話だが、主演の林泉がペ・ドゥナそっくりの個性的風貌で真功夫でもある。闘気が伝わるよい演技で、観ていてあきない。またおそらく最初期の武当山ロケも興味をそそる。

 

 

これも林泉だが、鼻が立派でほんとにペ・ドゥナによく似ている。

 

 

 

広東省武術隊出身。身材が強健そうで技に迫力がある。添え物でなく物語を牽引する主人公としては、この当時一番かもしれない。

 

 

木綿袈裟 (1984) では武当山の紫霄宮が映るが、この作品では南岩宮と太子坡が登場する。

 

紫霄宮

 

南岩宮

 

 

太子坡

 

武当山道教の聖地だが、少林寺の流れをくむ太極拳の発祥地でもあるとされる。ここで林泉は道長から武当派の技を学ぶ。

 

 

山も今日では観光地化され、登山バスやロープウェーもある。頂上金殿の標高は1600mで、よくこんな高山に建物をいっぱい作ったものだ。子孫は各地にガラスの桟道を敷設してやまないのだから、変わらないということか。

 

 

世界遗产—湖北武当山四季风光

 

武当山 旅游攻略

観光客による旅行案内と撮影で、9分以降はただの猿の映像。

 

 

臥虎蔵龍で章子怡が身を投げた橋はどこにあるのかというと、あれは河北石家庄の蒼岩山武当山ではない。また李安にだまされたわけだ。

 

苍岩山- 维基百科,自由的百科全书

蒼岩山

 

 

映画武当の欠点は光緒15年 (1889年) と冒頭画面にあるのに、香港映画によくあるインチキ武士が出てくること。しかも技術はちゃんと空手の型なのに、チョンマゲがモヒカンだ。出てくるたびにうんざりだが、ファンタジーですよという言い訳なのか単に無頓着なのかもよくわからない。サムライたちは、雇い主がやられそうになるとさっさと退場してしまう。