荷風マイナス・ゼロ (76)

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荷風が4月17日に観たモスコウの一夜は、チューブにupされている。第一次世界大戦中のロシアが舞台で、フランス映画だから台詞もフランス語なので荷風の興味を引いたのだった。

巴里祭(1933)のアナベラ演じる令嬢とロシア軍中尉の恋が物語の軸とはいえ、ちゃんと演技しているのは年輩の婚約者であるアリ・ボール穀物業者の富豪だけで話そのものは薄い。日本に輸入されたのはヒロインの知名度と、トーキーのロシア音楽と豪華なセットがあったからだろう。それなりの大作なのでロシアの雰囲気は出ているが、時代考証は適当だ。

アリ・ボールはジャン・ヴァルジャンやビートーヴァンになった役者で、大芝居だが存在感があってこちらが主演といってもいい。

 

 

アナベラとアリ・ボール

 

 

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5月6日に観た白鳥の死(1937)はダンス場面だけ網上にある。当時のプリマドンナが出演しているが、戦後のバレエに比べると身重たげだ。荷風は気に入ったようで二回見ている。