ジョーティラクシュミは「ムットゥ」のkokku saiva kokkuで思い出されるだろう。あの悪達者なお色気婆だ。
その妹がジャヤマーリニで、Ragile Gundelu(1985 テルグ)の cheppe mata はインド映画で知るかぎりいちばん下品なナンバルだ。男の股間に顔をうずめるダンスなんて見たことない。
しかしこの姉妹はすごいのだ。テルグ映画のアイテムクイーン・ランキングでは2、3位に位置している。でも1位のL.ヴィジャヤラクシュミはアイテムガールというよりヒロインだから、実質ツートップといっていい。（L.ヴィジャヤラクシュミについてはいずれ記事にする予定。）ふたりとも五大映画圏で活躍し、息長く活動した姉は1000本以上に出演したという。部分的フィルモグラフィーはwikiとIMDbにある。
ジョーティラクシュミは今年同名のテルグ映画が公開され大ヒットしたことで再び脚光を浴びた。チャールミーCharmi主演の同作品は「ダーティーピクチャー」のようなモデル映画と当初思われたりしたが、ふたを開ければヒロインのコールガールの名が同じというだけだった。しかし観客は往年のヴァンプに思いを寄せただろう。
ジョーティラクシュミももとはkaveri poompattanathil(Kodungallooramma 1968 マラヤーラム)のようにクラシックふうなダンスや、キショール・クマールとペアで Payal Ki Jhankar(1968 ヒンディー)でヒロインを演じたりしていたのだが、のちにヘレンのようなキャバレーソング(Monagadosthunnadu Jagratha 1972 テルグ)で踊るようになった。
ヘレンとちがうのは、もっとエグイのと土偶体型なところだ。
ネットのテルグ映画情報はまだまだ不備が多いのだが、代表的ダンスをあげる。
kattu mella kattu (Neerum Neruppum 1971 タミル)MGR映画。右のホクロがよく見える。
nelona neetu undi (Revolver Rani 1971 テルグ) Vijayalalithaも踊りが上手いしジョーティ似ているが、左にホクロがあるのでまちがい。ジョーティは右だが、ここでは見えない。メイクで消したのか。
72年に主演したPilla Paduga(テルグ)では女ガンマンを演じた。水着で踊る 。トラと格闘する。犬神像や女神の祠がある国籍不明の村が舞台の西部劇だ。ヘレンも客演した。ヒドイものだが、日本も74年に「激突！殺人拳」とか製作していた。
ananda nilayam (Sri Anjaneya Charitra 1981 テルグ)クラシカルナンバルで、相手は不明だが踊れる人(Halam?)だ。
マラヤーラム映画（不明） Jayamaliniとあるのはまちがい。目と口がいやらしいところがジョーティラクシュミだ。ムジュラーもどき、カッワーリーもどき、パシュトーダンスもどき、ヴァンプの末路、西から昇るケーララの朝日と盛り沢山。
追記：今月、2016年8月8日にジョーティラクシュミは亡くなった。
48年生まれだから、ジャヤマーリニとは10才違いだったことになる。あまたの回顧記事のおかげで、サウスの観客の記憶に残る代表的ナンバルを追加できる。
Kattodu Kuzhal Aada ( Periya Idathu Penn ‘63 タミル) MGR映画でデヴューした。背の低い女の子のほうが 15才のジョーティだ。
Kaalathai Vendravan Nee ( Adimai Penn 1969 タミル)これもいい歌。タミルの「剣とサンダル」映画のはしりだという。MGR、ジャヤラリターと踊る。
andala bommanu nenu ( Lakshmi Kataksham 1970 テルグ）NTR映画。全盛期には、ジョーティラクシュミのダンスが見たくて観客は行列を作ったとのことだ。
le le le naa raja le le naa raja (Prema Nagar 1971 テルグ) ANR映画。アル中で女たらしのザミーンダールを秘書が改心させる話。タミル、ヒンディーでリメイクされた。耳に残る歌。
gudi lona na swami ( Ida Lokam 1973 テルグ)しっかりした古典の背骨がある。子供のころからの絶えざる套路の反復だけがそれをもたらす。
gaana karunguyile kacherikku (Sethu ‘99 タミル) イライヤラージャーの曲。「アレクサンダー大王東征記」に「ここの連中は歌ったり踊ったりが好きだ。」とあるが、2000年たっても達者だった。
