ハリニ・ジーヴィター

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ただのバラタナーティヤムの実演と思われるかもしれないが、このダンサーが11才と知ればどうだろう。ちょっと萌えませんか。

いや、ヘンな意味は少ししかなく、このハリニ・ジーヴィターHarinie Jeevitha ஹரிணி ஜீவிதாは、バラタナーティヤムトップ1000人リスト というサイトの投票で、37位につけている実力者なのだ。ヴァイジャンティマーラーが4 位、ショーバナが10位と聞けばシヴィアさが想像つくだろう。(07年当時)

とはいえ、それはこのハリニのアランゲートラムarangetram(得業御披露目)のチューブ映像から生じた結果だとも思う。bharatanatyamではもっとも人気ある動画だから。(wikiのBharatanatyamのトップ画像がハリニのものになった。)

人気の秘密は、長い手足をフルに活かした踊り、適切な表情演技など本人の魅力がもちろんベースだが、authenticとかrealなどの誇大ロゴ(07年当時)のせいでもある。これはアマチュア画像ではなく、ちゃんとズームや編集などの技術を使ったダンス学校制作の宣伝用DVDの一部なのだ。

ナルギースの踊りの魅力は、ヴィデオ撮りだからではないかとも思う。インド映画では不可能なマルチカメラ方式で、ライヴ感が表現されているのではないか。 

<追記>

ハリニの生年については情報が混乱しているのだが、ここでは2006年11才でアランゲートラムをおこなったとの説をとる。95年あたりの生まれということになる。その映像はただちにネットに出回り、バラタナーティヤムとして当時では異例の100万回を超えるヒットとなった。国内はもとより海外で高い人気をほこり、いまだにファンは絶えない。

しかしグルの意向もあるらしく、その(おそらく海賊版の)クリップは引き下げられ再掲したのはコピーにあたるものだ。視聴数も平凡な数字におさまっている。wikiのバラタナーティヤム画像も他の大人のダンサーに差し替えられたが、他の舞踊関連諸項目でまだハリニを見かけることができる。

インド舞踊にまったく無知な人間もひきつける魅力は、たとえ子供の演技でもかけがえのないものだと思う。ジャンルの本質的なすばらしさが体現されているからだ。むしろこの年令でしかできない演技もあるものだ。

しかしハリニはノーヴィスからジュニア、シニアへと成長するあいだに各種の賞を総なめにし、順調に育っていった。将来を担う若手トップとして人気も高い。通常は客席のさびしいコンサートも、ハリニが出ると若い子で埋まるのだという。20才を過ぎたいま、プロのダンサーとして国内だけでなく海外公演も多数こなしている。所属するダンス学校の教師も兼ね、それにとどまらず大学では文学を専攻した。

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ハリニの歩み

08年 タミルナードゥのオーロヴィルで公演。同公演から抜粋

09年 TV番組にダンス学校の生徒とグループで出演 

10年 Bharatham Festivalに出場。(一部音声とぎれあり)

11年 Nataraj National Dance Festival 2011に出場。

12年 Sri Parthasarathy Swami SabhaFestival に出場。

13年? チェンナイ・ジャーマンホールでの公演 

13年? Sri thyaga brahmagana Sabha公演

14年? KGS(Krishna Gharana Sabha)公演

15年   Natyarangam(the dance wing of Narada Gana Sabha Trust) 公演

15年 Rama Ravana Yuddham 不明。 (ラーマとラーヴァナの戦い)

基礎技術は子供のころから傑出していた。年とともにそこに力感とスピードが備わり、緩急、動作の微妙なディレイ、軽やかなジャンプ、柔軟性とダンサーとしてのひとつの理想像といえる。

しかしいちばん好ましく思うのは、近代を感じさせない心がまえにある。半眼に見据えたまなざしはムガル細密画の踊り子のようだ。チェンナイの街中を歩くように白い歯をずっと見せたまま踊る若い子も多いが、賢い子犬みたいだった子供時代からハリニはプライヴェートでもめったにそんな表情は示さない。携帯ももっていないらしい。

 

練習着での演技も独特の魅力がある。

Sokkanathar Kouthuvam 背景はムドラー図。

Folk MelodyRadha レリーフはガナパティ。

Madava Sambashanam  ラーダーの密会なので、うしろの像がクリシュナ。

寺院での舞

 

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<2017年の追記> wikiにハリニの項目ができた。