ヤア ムスタファ

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Mohamed Fawzi ヤア ムスタファ 作曲者

 

 

コンビニの店員がマードゥリーさんだったので、ずっとホクホクした気分だった。

 

 

P.スシーラが歌ったカーンチャナーの Boom Boom Maattukaran - Athey Kangal (1967 タミル)の元は、メリー・ポピンズ (1964)のチムチムチェリーとされている。

 

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でもリズムがちがうので、おなじスシーラの Hello Hello O Ammayi - Iddaru Mithrulu (1961 テルグ)にも似ている。同曲は1960年前後に世界的に流行した Ya Mustafa のテルグ版にあたる。

 

ムスタファにはタミル版もあって

 

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Manakkum Rojaa My Lady として、ラージャスローチャナ主演の Kavitha (1962) で使われている。ヒンディー映画では1994年の Aatish があり、パーキスターン映画にもあったのだがいま引用できない。

 

この曲はエジプトの歌手、作曲家、映画俳優のモハメド・ファウジーの手によるとされるが、音源は示せない。またもともとは民謡だともいわれる。

 

それがエジプト人歌手 Bob Azzamトルコ人歌手 Dario Moreno によって、欧州さらに世界的な流行をもたらした。日本には Azzam 版が伝わったとされるが、映像では両者とも日本版とちがう物語性のないふつうの恋愛歌で歌詞は共通している。となると日本版の源泉が疑問としてのこる。

 

 

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ヤア ムスタファは1961年エジプト映画 El Hob Keda で映像化されている。それ以前50年代にも2本の映画で用いられているといわれる。

 

wikiではその音楽的性格についていろいろ書かれているが、歌手の履歴に引きずられているようだ。

ギリシアやトルコではなくこのリズムはアラブのものに他ならない。粘るアラブ、回るこぶし記事で示したように、音に音がくっついて粘るのがアラブ音楽の特色だ。タタンタタンタンという調子が、新奇なものとして世界に歓迎されたのだろう。伝播の例

 

この曲はいまでもフットボールチャントとして親しまれている。

チムチムチェリーは西洋音楽の三拍子で、アラブ的性格は洗濯されている。

 

ムスタファは選ばれし者の意味で、預言者ムハンマドのことでもある。だからヤア ムスタファの題をもつ呼びかけの宗教歌はいろいろある。

Sami yusuf"....Ya mustafa

ウルドゥ語のヤア ムスタファ

おそらくこうした預言者をたたえる歌が、世俗化して恋歌になったのだろう。

 

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反対にインドネシアの Ya Mustafa - Wafiq Azizah は、恋の歌を宗教歌に転換している。

 

 

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映画歌手としてのモハメド・ファウジーの歌唱(わたしの愛と目

ファウジーアルジェリア国歌も作曲している。