イラン映画 パスタリオーニ

Isfahan beryaniエスファハーン・ビリオーン

 

パスタリオーニPastaRioniはパスタとビリオーン(ペルシア語ビリヤーンのエスファハーン訛り)の合成語で、2017年イラン映画の題名だ。

 

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子供が主人公の喜劇で、レストランが舞台だからおいしそうな料理がたくさん出てくる。

南アジアのビリヤーニーの元はイランといわれるが、由来ははっきりしていない。ペルシア語の炒める بریان から来たともいわれる。インドでは米を炊きこむ料理で、イランのビリヤーンはパン(Sangak)の上にひき肉炒めを乗せた別物だ。

 

 

ハイダラーバード・ビリヤーニー

 

エスファハーンで亡くなった祖父のレストランを手伝っていた男の子が、テヘランの父のもとに来たものの父親の店は失敗していた。父はジャンガルのあるカスピ海地方に行ってやり直すというが、エスファハーン弁ばりばりの子供は店を再開しようと説得してとどまる。決め手は料理上手な変女子を雇えたことで、そのビリヤーンが絶品だった。

店は繁盛するが、向かいの高級パスタ店のオーナーがあらゆる手段で妨害をはかる。ところがパスタ店とビリヤーニ店の息子はいつのまにか友人になっていた、という話だ。

子供はどちらも小生意気で、インド映画に出てきそうだ。インドならパスタ屋が悪の限りをつくし最後に女神が出てきて成敗するが、児童映画に定評あるイラン映画だから終始ほのぼのしている。ただ作りはたわいないので、興行批評とも成功とはいえなかったようだ。

 

この映画には、ミスター・テイスターと呼ばれる実在の美食インスタグラマーがゲスト出演する。サムネの真ん中のメガネがそれで、どちらの店の料理に軍配をあげるかが山場のひとつとなっている。

見覚えあるかもしれないが、ミスター・テイスターはアブラール兄のイラン紀行にも出てくる。テヘラン・グルメの回に登場し、名物料理店を案内してくれた人物だ。

 

作品としてはともかく、イラン料理は見た目にも魅力的で食べ歩きしたくなる。