オダギリジョー、こいつは絶対ゆるせない。
アトム玩具のゲームはやっと完成したものの、妨害されてあらゆる配信からはじかれてしまう。しかし工場のジジイたちが販促用につくったキャラグッズに人気が出て、QRコードを貼りアクセスできるようにするとゲームはたちまち評判となる。年間ゲーム大賞はオダギリの会社に取られるが、元気玉をあつめてアジア大賞を取り返す。
ここまではいい流れだったが、テンポよくあっさりと物事がすすみすぎた。
と思っていたら、銀行が債務のカタに会社をオダギリに売り飛ばしてしまった。
下町の人情だのモノ作りの知恵だの、まじめに考えたことはすべて無価値なファンタジーだった。これまでの物語世界は機銃掃射で全部ふき飛んでしまった。
まるで別の競技をやっていたのだ。岸井たちは資本の論理に無知でシンプルだった。オダギリにとって相手はただのゲーム(獲物)だった。
悪鬼に見えるオダギリだが、資本主義的強欲というエジソンの遺伝子に忠実にふるまっただけだともいえる。
だからといって、オダギリは絶対ゆるすわけにいかない。
岸井は来月公開の「ケイコ目を澄ませて」でボクサーになるが、このドラマでもオダギリをボコボコに殴ってブッ殺したらいい。
塚地は前垂れを革製にかえてチェンソーでオダギリをメッタギリにし、でんでんがボディーを透明にしてやったらいい。
特別にゆるしたいと思う。
エルピス
長澤とゴードンは外側は健康優良児だが、中身は弱さもろさをかかえている。ハードボイルドには遠くて、半熟卵だ。
冤罪特集を強行突破で放映したところ、視聴率がよくておとがめなしになった。TV局もオダギリとおなじで、数字をふやすことがすべての世界だ。
しかし計ったように死刑囚の再審請求は棄却され、長澤は取り戻しかけた自信を喪失する。元恋人がこの件と関りがあることを知っても、この事件でいちばん重要な情報なのに追及することなくまた抱かれてしまう。回復すべき自己など、もともとなかった。
ゴードンはいじめの傍観者だったことを告白し、自分が負け犬であることを認める。(終)
予告ではゴードンはひげを粗くのばしている。少林寺で修練でもしてきたか、酒に溺れるようになったのか。