モーターサイクルガール

ズィーナト・イルファーン 映画 Motorcycle Girl (2018) のモデル。パーキスターン女性初の国内バイク縦断者。

 

Girl Power: Best Pakistani Movies to Watch on International Women’s Day というパーキスターンの記事で、女性の日にちなんだ映画リストを紹介をしている。そこで Motorcycle Girl のことを知った。

記事は参考になるが、海外向け文章のようでモヤモヤも残る。

 

リスト中では Zarqa と My Pure Land をこのブログでも取り上げてきた。後者は実録パーキスターン西部劇記事に書いているが、アートな撮りかたが実話の力を削いでいた。

パレスティナ闘士Zarqa をワンダーウーマンに先駆けてと記しているが、レバノン侵攻時のイスラエル兵士が主演の映画とくらべるのは適切でない。

 

Motorcycle Girl (2018) は、女性で初めて北部国境までツアーした実在のバイク乗りの伝記に基づいている。モデルはラーホールの人だから、アブラール兄を思い出させ親近感がわく。しかしパンジャービーでなくウルドゥ映画として製作されている。予告編を見るとコテコテ感がなく、いわくいいがたく意識高いウルドゥ映画だなと思う。My Pure Land もパンジャーブ州の話をウルドゥで描いていた。

 

独立から77年クーデターまでのウルドゥ映画は、女性中心が多かったのではないだろうか。結婚や家庭の問題が主で、娼婦を含めヒロインの話が歌と踊りで語られてきたと思う。

血みどろパンジャービー映画でもアンジュマンやナルギースは暴力を行使し、馬にも乗った。女だけがマスターしている踊りの技術によって、男映画のアクション場面を支配できた。

歌舞音曲で女が活躍する南アジア映画の特質を除外して、パーキスターンGirl Power映画は語れないのではないか。