ロシア代表テストスケート・ショート (9月16日)
ワリエワはすっかりたくましくなって、今シーズンのショートを披露した。網膜手術をして練習できないまま臨んだのだが、滑りのよさはあいかわらずだ。挑発的メイクと演技で、北京のときの追いつめられた感じはない。氷上での体のコントロール、控制力がすばらしい。
ロシアはフィギュア・ブームらしく、観客の歓声が韓国なみにすごい。
クァドも3Aもないが、そうなるとかえってスケーターとしての才能の高さがわかる。体のやわらかさも健在だ。四回転時代以前なら、トータルパッケージとして無双できただろう。子供っぽさがなくなり、太くなっても動きが鈍らないので演技に迫力が生まれている。
ただ今年初めのロシア選手権にくらべればジャンプが低いのはあきらかで、成長と折り合いをつけ跳ぶ技術をとりもどせるのかは不明だ。
今年のショーナンバー シェヘラザード
大柄なので見栄えがするし踊りが上手い。アイスショーも豪華だ。
タマンナーのKaavaalaaを踊ってくれたらいいが、ロシアは南インド映画を見るのだろうか。
トゥルソワは自分の歌のMVを制作した。「二つの翼」のタイトルで、鳥のように自由気ままに生きたい気分を歌っている。
また腰を痛めたのでテストスケートには出なかった。コーチもまた換え、公然といちゃいちゃしていたBFとも破局したらしい。好き勝手に生きるのがトゥルソワ流なのだろう。あと達成していないのは4Aだけだから、それをモチベに復活してくれたらいい。
ISUやIOCは腐った組織なのでロシア選手はグランプリ他に出られないが、けっきょく損をするのはフィギュアファンになる。アメリカのイラク侵攻時、スポーツ制裁など問題にされなかったのだからバカげた話だ。
スポーツ機構は政治の道具にしかなっていない。世界だの国際の冠は、これを機にいちど剥奪したほうがいい。