破壊まえの銀座

東京の女性冒頭に映る服部時計店。戦後は米軍PX(酒保)として接収された。

 

ゴジラが銀座で暴れることができたのは、そこにまだ建物があったからだった。降伏交渉と戦後統治のために、天皇が必要だったからと思われる。

そのため皇居周辺はおおむね無傷で残っていた。

 

東京の女性は銀座あたりを舞台としているので、昭和14年の風景が映っている。作品についていたれりつくせりな検証をしている記事があったので、それを参考にタイムトリップしてみたい。

 

 

これも冒頭シーンにある教文館ビル。Booksの広告がある。

 

 

原節子の会社屋上から見えるのは、日劇の前にあった東芝ビル(マツダビル)。原の目の前で営業マンがケンカ。

 

 

白い建物は第一生命ビル。戦後はGHQ本部となった。

 

 

赤印がGHQゴジラ銀座三越から服部(和光)を潰し、メトロ銀座を経て銀座通りを進んだ。線路前の日劇を破壊し、有楽町で電車をくわえ皇居旧外堀に吐き捨てた。群衆は堀端を西に逃げた。国会前に布陣した戦車の砲撃に怒って、議事堂に向けて放射熱線を噴いた。

 

 

おまけ

 

原節子の家のそば。姉妹が降りてきた階段は本郷の炭団坂で、樋口一葉の菊坂の家と同住所だ。なんらかの意図があったのだろう。

 

監督の伏水修黒澤明の先輩で音楽の心得があり、ミュージカルで定評があった。この作品でも演出は的確だ。撮影3年後の昭和17年結核で亡くなっている。

妹役の江波和子も1947年に、27才で娘江波杏子を残して結核で死去している。