春の感謝祭(9)

 

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ラーニー・チャタルジーの Nag Nagin は、Nagin あるいは Ichchadhari の別タイトルもある。女神映画や香港映画と同じく、安い映画の常だ。 Ichchadhari は人間に変身する蛇のことで、 Naga mani という宝石を体内にもつといわれる。

 

Nag Nagin は宝石をねらう人間との闘いの物語だったが、伴侶を人間に殺されて復讐する系列の作品もある。スィリープリヤーSripriya の Neeya? (1979 タミル)がそれで、リーナー・ローイ主演 Nagin (1976)のタミル版にあたる。トリュフォーの「黒衣の花嫁」の翻案で、悪人にカマルハーサンがまじっている。これに先立って「スネークダンスの系譜」記事で紹介したテルグ版のジャヤマーリニ Devathalara Deevinchandi (1977)があった。

 

スィリープリヤーはカラコンを装着してがんばっているが、もともとラミヤーに似て眼に異彩がある人だ。踊り上手でもある。
実際、ショーバナと共演した Enakkul Oruvan  (1984 タミル)では、まだ十代でタミル映画初主演のショーバナより技術が上だった。同作は「オーム・シャンティ・オーム」の元となった輪廻転生ものの Kaarz (1980 ヒンディー)のタミル版になる。

 

アミターブ主演 Don (1978) のラジニ版 Billa (1980)では、ズィーナト・アマンやリメイクでのプリヤンカー・チョープラーが演じたヒロインをスィリープリヤーが担当している。歴代ではやはりスィリープリヤーがいちばんダンスが上手い。


Don の khaike paan baranas wala をラジニがやると、音楽が合っていないのであまりぱっとしない。ヘレンの yeh mera dil はやはりヘレンだが、これも曲が世界観にふさわしくない。だがタミルナードゥでは大ヒットで、初主演の同作がラジニの運命を決定した。多才な性格俳優からヒーロー・オンリーなスターへの道だ。

 

スィリープリヤーは何でもやる人で、この百合ダンス もなかなかいい。相手は Ramaprabha.

 

意欲の人で映画製作を手がけているだけでなく、 Drishyam (2013 マラヤーラム)のテルグ版 Drushyam (2014)の 監督もしている。

 

theriyum theriyum  (Savaal 1981 タミル)がいい感じだ。

 

シヴァージ・ガネーサンと列車の上で踊る Lorry Driver Rajakannu  (1981 タミル)はチャイヤ・チャイヤを思い出させる。震災と原発事故のときは、あのダンスに元気をもらっていた。Dil Se のラストはアレなのだが。