ゴジラ新作を見て日本のVFX映画もずいぶん進歩したと思ったが、たまたま見つけたロシアの小惑星激突映画がなかなかのものだった。Мира (2022) がそれで、地球に衝突する小惑星がもたらす危難から逃れようとする少女の話だ。父親は宇宙ステーションにいて、娘に通信連絡しながら危難をのがれる道へと誘導していく。
ワンカットワンシーンふうに撮影されていて、息つくひまもない。いまのデジタル映画ならこういう編集は、アナログ時代とちがってそれほど困難ではないのだろうがやはり迫力がある。災厄映画は食傷気味になるくらいあるが、まだこういう工夫の余地があった。
ラテン字だと Mira になる。惑星ソラリス (1972) のころでも、ソ連のVFXは米とくらべてそれほど劣っていなかった。その後ごぶさたのうちに、思わぬ進化をとげていたことになる。
三丁目ゴジラの山崎監督は、2分の映像に半年かかって疲弊したと語っていた。その後機材が発達して、今回のゴジラを撮れるようになったという。
ジュラシックパークは結局「画じゃん」と思い、その後も画素のちがう実写との合成に驚きを受けなかった。しかし新作ゴジラのようなきめ細かいCG映像と豆つぶのような人の組み合わせは、浜辺美波がいるせいもあって無理を感じさせない。