宝の小箱 (6)

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パーキーザーPakeezah (1972 ヒンディー・ウルドゥ) は、一言でいえばかわいそうなタワーイフの話で終わるかもしれない。ヒンディー映画には80年代ころたくさんあった。類型とまったく違うのは、時間の流れかたが独特だということだ。それは主人公が旅人であることにかかっているかもしれない。汽車にも乗れば、テントを張って暮らしたりもする。chalte chalte歩いて歩いて は象徴的な歌だ。

娼館をいとなむことも、囲われ者になることもある。だが、基本は歌舞という技術をもって世を渡っていく。技術があっても農民は流れないし、主人公は流されない流れ者だ。