三体問題

三体問題の舞踏解

三体は三つの太陽の重力に支配される惑星文明と地球との交渉を描いたSFだ。

力学の三体問題のこの解では、運動がきれいな閉曲線を示しているため舞踏Choreographyと呼ばれる。

実際はこういう運動になったりシッチャカメッチャカで、三体人の世界は混乱をきわめている。

劉慈欣の三体も、本格+アホSF＋文革傷痕小説+銭形警部を火鍋にかけたような作品になっている。いちばんおもしろいのは始皇帝が軍団を人海戦術で計算機化する挿話で、円の題名で短編としても紹介されている。しかし全体としてはしごくまじめで、旧社会主義圏SFのようでもある。空想がもっともふくらむのは、仮想のゲーム空間であるのは現代的だ。

この小説が大流行したため映画化が企画され、2015年に

張静初と馮紹峰の主演での製作が発表された。

ところがこれは、いつのまにか中止になって続報がない。

そうこうしているうちに騰訊視頻テンセントでの電視劇化が報じられ、先月予告も発表された。

出演陣は知らないが、それなりにお金もかかっているようだ。

しかもそれに加えて、Netflixが曾志偉の息子を監督に迎えて実写化することが伝えられている。

3つの作品がどのように仕上がるのか今のところ予想がつかないが、張静初の版はぜひ見てみたい。