マドゥマティー

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ヘレンそっくりのマドゥマティーMadhumati はヘレン同様にカッタクの修行をしているが、のちにバラタもマニプリーも学んだという。インド映画でも高手に数えられる人だが、まだWikiの項目がない。代名詞となるようなダンス作品がないからだろう。


パールスィー家庭の出身 で、判事だった父親が寛容で踊りの習得や映画界入りを後押しし、保守的な親戚や周囲の反対から守ってくれたという。また13才の時すでに4才から8才までの生徒300人のダンス学校を主宰していたとのことだ。58年に15才(?)で映画初出演して学校は畳んだ。生地はマハーラーシュトラ州 Thane(かつてはThana)の駅の側。現在はJuhu beachで Madhumati Acting Academy を開いている。Tabu や Akshay Kumarが生徒だった。

ヘレンに似ているということで割をくっているだろう。それほど多くないtubeのダンス映像でもしばしば間違えられている。
名前もヴァイジャンティマーラーの大ヒット映画 Madhumati と同じで損をしている。ネットサーチなど考えもしなかった時代の人だ。
本人はインド諸語映画に1100本以上出演したと語っているが、ヘレンは1000本出演といっているからあり得ることだと思う。ネットにある映像はヒンディー映画しかない。

 

ビリビリでは正当に評価されていて、tubeにない映像が多い。中心で衰退した文化が周縁で生き残る例だ。tubeもcmが末期的だから期待したいが、まだまだ言語の壁は厚く層が薄く覇権には遠い。
古典舞蹈:印度舞娘Madhumati唯美婆罗多舞 (Talash 1969)
舞娘であって舞神にはならない。

 

印度舞娘Madhumati的拉瓦尼舞 Lavani (Chand Aur Suraj 1965)
ラーヴァニーも踊れる。このころはほっそりしている。19才で結婚して4人の連れ子を育てていた。

 

 oh maa meri  (Puja Aur Payal 1972)
夫はSitara Deviの弟子だったが、のちに独立してダンスグループや映画会社を設立した。この作品はそのプロの手になるもので、マドゥマティーが主演している。
サラーイキー・スーフィー歌謡の ho lal meri pat を転用して、ドゥルガーのまえで母親讃歌を歌うマドゥマティー

 

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ベーラー・ボースと

 

マドゥマティーのダンスで比較的残っているのは当時の名手とのペアで、前掲の記事にあるようにヘレン、ラクシュミー・チャーイヤー、ラーニー、ベーラー・ボース、ジーヴァーンカーラらと踊りの火花を散らした。

Madhumati和Rani的双人舞 
ankhon ankhon me kisi se baathui (Janwar 1965)
ここでは鄭佩佩に似ているといわれている。そっくりさんのヘレンはビルマ系だし、パールスィーであってもどこかで東のDNAが入ったのかもしれない。
ラーニーとは同じカッタクの流派なので安心して見ていられる。例によって男が踊りの邪魔をする。

 

印度双人古典舞【婆罗多舞混合卡塔克舞】  (Shikari 1963)
これもラーニーと。
マドゥマティーはカッタクとバラタの混合を見せる。昔はヘレンだとばかり思っていた。メイクもヘレンに寄せすぎている。

 

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【高能!鬼畜】印度眼镜蛇舞大战孔雀舞Madhumati, Laxmi Chhaya   (Suhag Raat 1968)
鬼畜はネット用語で、「スゲー」を含意している。何かと凄い。マドゥマティーは蛇。


末日与爱情——Madhumati和Laxmi Chhaya的双人Mujra舞 中字幕  
ラクシュミー・チャーイヤーとムジュラーを踊る。「負けられない」プレッシャーは相当なものだったろう。英字幕 

 

中字印度歌舞《脚铃轻响》 Madhumati与Laxmi Chhaya的双人Mujra (Mere Huzoor 1968)
何の権利があってこの加トちゃんはいつも酔って踊りに介入してくるのか。

 

印度舞娘Madhumati与Jayshree T.的双人舞 (不明)
ヘレンに似ているほうがマドゥマティー・・・という比定のしかたになるのがつらいところだ。しかしHelen look alikeということで仕事もたくさん来たのだろう。
Jayshree T.もカッタク流の人。別の映画の撮影中、ファンであるダコイトによる誘拐計画があったという。

 

yun na akadiye yun na bigadiye  (Sunehri Nagin 1963)
ベーラー・ボースと。ヘレン主演の蛇神映画で監督はインドの円谷英二にあたる Babubhai Mistry。シャボン玉を飛ばすのが趣味のようだ。

 

【印度舞娘】Madhumati与的Jeevan Kala双人Mujra舞  (Sawan Ki Ghata 1966)
ホットポテト記事ではジーヴァーンカーラとナリニー・チョーンカルを取りちがえていたので修正した。ミスは毎度のことで、突然それに気づくとスィーターのように裂けた大地に呑みこまれた気分になる。這いあがって隠蔽し同じことをくりかえす。

 

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ヘレンのほうが背が高いし、マドゥマティーはそっくりさんの立場なので分が悪いがたびたび共演している。
何人所许——Helen和Madhumati的双人舞  (Yeh Raat Phir Na Aayegi 1967)
画質が良いから二人の相似と相違がよくわかる。

 

Helen and Madhumati 
(Sikandar e Azam 1965)
ヘレンにしてみれば、腕のいい若手そっくりさんは脅威だったろう。

 

【印度老电影】【歌舞】【中字】《泰姬陵》双人舞  na re na-na, haath na lagaana
(Taj Mahal 1963)
マドゥマティーはストーカー男。字幕白黒版
泰姬陵はタージマハルで、アナールカリーのペアが10年後にムムターズ・マハルとシャージャハーンを演じた。ビーナー・ラーイはかわらず色っぽい。
ヒンディー・カッワーリー記事で眉の太いミーヌー・ムムターズ Minoo Mumtazの踊りを紹介している。